塗装できない屋根材
2026/03/09
皆様こんにちは。
本日は最近、御見積りの際に遭遇した塗装できない屋根の御宅がございましたので、『塗装ができない屋根』について投稿します。
屋根のリフォームを検討し始めた際、まず頭に浮かぶのが「塗り替え(塗装)」ですよね。しかし、世の中には**「塗装をしても意味がない」「むしろ塗装をしてはいけない」**という、メンテナンス泣かせの屋根材が存在します。
良かれと思って塗装にお金をかけたのに、数年でボロボロになっては目も当てられません。今回は、リフォーム業界で「塗装不可」として有名な屋根材の代表格を紹介します。
なぜ「塗装できない」屋根があるのか?
通常、スレート屋根の塗装は「防水性能の復活」を目的とします。しかし、今回紹介する屋根材は素材そのものに強度不足や構造的な欠陥があるため、表面だけを綺麗にしても内側から崩れてしまいます。
「お化粧をしても、土台の肌がボロボロと剥がれ落ちてしまう」状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。
塗装NGな代表的屋根材リスト(他にもあるでしょうが、ここでは4つの商品に絞りました)
1. コロニアルNEO(クボタ / 現:KMEW)
2001年頃、アスベスト(石綿)規制が厳しくなった直後に登場した「ノンアスベスト」の初期製品です。
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主な症状: 非常に脆く、数年もするとひび割れや破片の脱落が多発します。
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塗装不可の理由: 塗装職人が屋根に登るだけでバキバキと割れてしまうことが多く、塗装したとしても、塗膜の下から素材ごと剥がれ落ちてしまいます。
2. ザルフグラッサ(クボタ / 現:KMEW)
コロニアルNEOと同じ時期に流通していた屋根材です。
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主な症状: **「層状剥離」**と呼ばれる、パイ生地のように表面がめくれてしまう現象が起きます。
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塗装不可の理由: 表面がめくれるということは、塗料が密着する土台がなくなるということです。塗装をしても、その塗料ごと表面が剥がれてしまいます。
3. パミール(ニチハ)
「塗装不可」の代名詞とも言える、最も有名な屋根材です。
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主な症状: 先端からボロボロと剥がれ落ち、最終的には釘が腐食して屋根材がズレ落ちる危険性もあります。
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塗装不可の理由: 塗装は不可能です。むしろ「パミールに塗装を提案する業者は知識不足」と判断して良いほど、業界では有名なNG素材です。
4. かわらU(積水化学工業)
かつてベストセラーだった瓦型の屋根材ですが、特に1990年以降のノンアスベストタイプが問題となりました。
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主な症状: 全体にひびが入り、表面が粉を吹いたようにボロボロになります。
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塗装不可の理由: 素材自体がもろいため、高圧洗浄をかけるだけで屋根が粉砕されることもあります。
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自分の家の屋根を見分けるポイント
「うちは大丈夫かな?」と不安になったら、以下のサインをチェックしてみてください。
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築年数が2000年前後である(アスベスト切り替え時期)
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屋根の破片が庭に落ちている
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屋根の先端が白く、重なりが浮いているように見える
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【注意!】 > 悪徳業者は、これらの屋根材であることを知りながら「塗装すれば大丈夫です!」と契約を迫ることがあります。塗装後の剥がれは保証対象外にされるケースが多いため、絶対に慎重になってください。
塗装ができない場合の正解は?
これらの屋根材だった場合、選択肢は2つしかありません。
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カバー工法(重ね葺き): 既存の屋根の上に、新しい軽い金属屋根(ガルバリウム鋼板など)を被せる方法です。解体費用が抑えられ、現在の主流です。
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葺き替え(ふきかえ): 古い屋根を全て撤去し、新しい屋根材を乗せる方法。下地の補修も同時にできるため、最も安心な方法です。
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まとめ:正しい知識が住まいを守る
「安く済ませたい」という気持ちは痛いほど分かりますが、塗装できない屋根に塗装をするのは、穴の空いたバケツにペンキを塗るようなものです。
まずはご自宅の屋根材が何であるかを、信頼できる専門家に**「目視」**で確認してもらうことから始めましょう。


